半世紀遅れた肉感、斬新な諧謔。

読書録 気が向いたら読む 気が向いたら書く 量より質

変な音/夏目漱石

病院で聞こえるさまざまな音

入院した夏目先生の実体験か創作かは置いといて、ぞわっとさせておいて最後は綺麗にまとまっている短編。

 

隣の病室(といっても建物は日本家屋の和室)から聞こえる、大根か何かをおろし金で下ろす様な音。

 

何かを確かめずに退院、3ヶ月後に再入院した際、変な音のする病室の隣で働いていた看護婦から声をかけられる。

 

   「あの頃あなたの御室で時々変な音が致しましたが……」  自分は不意に逆襲を受けた人のように、看護婦を見た。

 

人を不安にさせる音、勇気付ける音、病状を示す音。

体が弱っている時はこういう音って気になるなぁ。

 

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