変な音/夏目漱石
病院で聞こえるさまざまな音
入院した夏目先生の実体験か創作かは置いといて、ぞわっとさせておいて最後は綺麗にまとまっている短編。
隣の病室(といっても建物は日本家屋の和室)から聞こえる、大根か何かをおろし金で下ろす様な音。
何かを確かめずに退院、3ヶ月後に再入院した際、変な音のする病室の隣で働いていた看護婦から声をかけられる。
「あの頃あなたの御室で時々変な音が致しましたが……」 自分は不意に逆襲を受けた人のように、看護婦を見た。
人を不安にさせる音、勇気付ける音、病状を示す音。
体が弱っている時はこういう音って気になるなぁ。