半世紀遅れた肉感、斬新な諧謔。

読書録 気が向いたら読む 気が向いたら書く 量より質

改訂版 こんちゅう稼業/秋山あゆ子

じんわりくる虫たち

 

作者のTwitterで拝見した、ドレス姿の昆虫の絵がとても素敵で購入した1冊。

表紙、カバー下にはいろんな職業に扮した虫たちだけど、内容は様々。虫の擬人化だったり、虫そのものだったり。

今どきのデジタル素材をつなぎ合わせたような絵ではなく、全部手描きなんだろうね。

細かくて虫たちが生き生きしていて、勢い良くとは読めない。じっくり読んでしまう漫画。

 

『虫ん子 前後編』

 アリがこんなに可愛いと思ったのは初めて。

『虫目検校』

 蚊に対する接し方が変わりそう。いや、でも邪魔だわ。

クマムシの見る夢』

 クマムシって初めて知った。緩歩動物 - Wikipedia 可愛いねぇ。

『平茸坊主』

 怖い怖い。

『瓢箪の中』

 瓢箪の中でどんどん大きくなるお嬢さん。縁側で一緒にいるカエルが可愛い。

『つくも神』

 部屋はきれいにしよう。付喪と突く者をかけてるのかな?最後がもう素敵。二人?ともお嫁さん見つかってよかったね。

『ピーちゃん』

 本当はうまく話せるのに、人前だとうまく話せないゆきちゃん。最後があーって声が出た。そして泣いた。素敵な素敵な話。

 

実物の虫が平気かと聞かれればそこまでではないんだけど、絵で見るとマイルドになるというかじっくり見られて意外と可愛いなとか、格好いいなとか思ってしまう。

じんわりくる素敵なお話でした。

作者の『虫けら様』もそのうち読もう。

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