半世紀遅れた肉感、斬新な諧謔。

読書録 気が向いたら読む 気が向いたら書く 量より質

黄村先生言行録/太宰治

オオサンショウウオ可愛いけど、よく見ると怖い

 

主人公の先生はいまいち風流を理解しない人だけど、ある日突然オオサンショウウオの魅力に取り憑かれ、飼いたいと思い始める。 

「神よ、私はただ、大きい山椒魚を見たいのです、人間、大きいものを見たいといふのはこれ天性にして、理窟も何もありやせん」 

モデルは太宰さんの師匠の井伏鱒二さんだそう(wiki情報)。そういえば『山椒魚』書いてらっしゃいますね。

 

晴れて念願のオオサンショウウオとの生活が待っているかと思いきや……。どこまで実話かわかりませんが先生可愛すぎます。

黃村(おおそん)=大損らしい。

 

現在ではオオサンショウウオは国の特別天然記念物なので、許可なく捕獲、飼育すると文化財保護法違反になるようですよ。

 

黃村先生シリーズ1作めらしいので他の『花吹雪』『不審庵』も読んでみよう。

 

www.aozora.gr.jp